木こりの娘はプリンセス?

流れてくる曲はゆったりとしたワルツ。

ダンスは中学の必修科目になっているので皆基本のダンスは一通り踊れるんだ。

ルイスはリードがとってもうまくてなんだか私もダンスが上手になった気分になる。


『ルイスは本当に何でも上手にこなしちゃうよね。』

「何でもって訳じゃないけどな。」

ダンスの時って基本的に体が密着してるでしょ?

さっきから何か話す度に耳元でささやくように話すから、なんだか恥ずかしくなってきちゃった。

「サラ、今日は本当に綺麗だよ。なんだか本物のお姫様みたいだな。」

『私がお姫様ならルイスは王子様だね。ルイスはいつでもかっこいいし、何でも出来るし。
本当に王子様みたいだよね。』

「おだてても何も出ないぞ。サラだってなんでも出来るだろ?
毎日家事をこなしながら勉強も頑張ってるし。薬の事も誰にでも出来る事じゃいだろ。」

『えへへっ、私はねおだててくれるとこの間みたいにルイスの大好物をたくさん作ってあげる。』

「じゃぁ、もっとおだてないと。」

私たちは顔を見合わせてクスクスっと笑ってしまう。

ルイスとのダンスはとても楽しくて2曲立て続けに踊った。

2曲目の音楽が終わると私たちは壁際に移動する。

すると、たっぷり食事をとったと思われるアンナとイアンが私の方に来た。

「サラはダンスが得意なんだね。とっても綺麗だったよ。」

『ほんと?ルイスのリードが上手だったから気持ちよく踊れたの。』


私とアンナが話をしていると、ルイスのもとには何人もの女性が集まってきて「私と踊ってもらえませんか?」と立て続けに話しかけられている。