木こりの娘はプリンセス？

私は部屋着に着替えるとお昼ご飯の準備にとりかかる。

お昼は簡単にサンドイッチとスープを作るとテーブルに持っていく。

『お昼にしよう!!』

ルイスは待ったました、って感じでテーブルに着く。

「いただきまぁす」

『召し上がれ、スープは全部食べてね。
クリフが精霊たちに贈らせた、滋養強壮に良い食べ物ばかり入ってるから。』

「そんな事までしてくれたのか、本当に悪いことしたなぁ。」

『怒ってないと思うから大丈夫よ。』


私はエレノア様との話を思い出し、ルイスに問いかける。


『そう言えば、朝エレノア様が教室に来て、ルイスの事を心配していたわ。

ルイスはなんで騎士団になんて入ったの？』

「あぁ～どうしても入ってくれって頼まれて、断りきれなかったんだよ。」

『ふ～ん、そうなんだ。
ルイス、これからはもう少し早く帰ってきて。
ご飯を食べ終わったら私と一緒にけいこをしましょう。』

「えぇ!?イヤダよ!!」

『イヤじゃない!!きちんとけいこをしないんなら騎士団なんかやらないで。
昨日だって本当に酷い怪我をして帰ってきたんだから。』

「あれは偶々だよ。」

『隊長なんでしょ？本当ならみんなを守るのが仕事なんじゃないの？
あんなんじゃ心配で・・・』

「はぁ・・・」

『私なら、ルイスの出来る範囲を熟知してるから、無理なメニューは作らないよ。
それにマンツーマンなら、上達も早いでしょ!?』

「はぁ・・・」

ルイスはその後もため息をしながらサンドイッチを食べる。

そんなルイスを見ながらも、完璧王子に見えるルイスにも苦手な事がある事に私は安心感を持っていた。

ルイスにだって苦手な事がある、私だけがダメな子なんじゃないんだって、安心してる自分がいた。

こんな自分勝手な考えがいけなかったんだ。


『もう、あんな思いはしたくないよ・・・』

「分かってる。」