木こりの娘はプリンセス?

この学校の魔法騎士団と言えば、魔術のレベルも高く武術などの体術の強い人たちが所属しているこの学園のエリートたちの集まりだ。
校内での人気も多くファンクラブまであると聞いた事がある。

そんな騎士団にルイスが所属してたなんて知らなかった。


「最近学園の近くに魔物が出たという報告が街の住民からあり見回りを強化していたんです。
そして昨夜、魔物が出現し、我々は討伐に行きました。
ルイス様は団長ですから部隊の後ろで式を取っていたのですが、魔力の強さに引き寄せられたのかルイス様目がけておそってきたのです。」

『そんな事があったのですね・・・
お言葉ですが、兄は騎士団では足手まといになるのでは?
兄は魔術こそ才能が有り後方部隊の一人だというのなら話は分かります。
しかし戦闘が得意ではなく、女の私にも武術で勝てたためしがないのに団長だなんて・・・』

私はそういうとエレノア様の目を見る。


「確かにルイス様は戦闘が得意ではなかったようですね。
彼の才能に我々は奢っていたのかもしれません。」

エレノア様は申し訳なさそうな表情をすると頭を下げて私に謝った。

「あなたのお兄様を危険な目に遭わせてしまいまことに申し訳ありませんでした。」

『エレノア様、そんな事をなさらないでください。
できない事を引き受けた兄にも非があるのです。エレノア様が悪いわけではありません。』

私はエレノア様が頭をあげてくれてホッとする。それにこれ以上エレノア様にここに居られると他の生徒の視線が痛い・・・

『とにかく、エレノア様は何も悪くありません。
兄も無事に回復して、今日は大事を取って休みにしただけですし、心配はありませんから。

そろそろ先生が来る時間ですエレノア様は教室に戻られた方が・・・』


「あぁ、そうですね。長い時間話し込んでしまい申し訳なかった。
また今度個人的にお話に来るわ。ごきげんよう。」

エレノア様はそう言うと去って行った。