木こりの娘はプリンセス？

翌朝、目が覚めると私はルイスのベットにうつ伏せでベッドに寄り掛かる様に眠ってしまっていたみたい。

『肩が痛い・・・』

側で寝ているルイスを見ると、気持ちよさそうに寝ている。魔法がちゃんと効いたんだね。

音をたてない様に静かに部屋から出ていくと・・・

キッチンにはクリフが朝ご飯を作っている。

『何でまだいるの？ってか、何朝ご飯なんか作ってるの？』

「し～!!ルイスが起きちゃいますよ。」
クリフはそう言って唇に人差し指を当てている。

私は口をパクパクお魚のようにするしかない。


クリフは平然とした顔で「森の皆に滋養強壮に良い物や、長寿の秘訣と言われている果物を送ってもらいましたから、サラちゃんと食べてくださいね!!」

『何でそんな事？』

「私たちはサラの事が大好きだから契約したんです。ただ早死にさせる為ではありません。サラの事を助けたいから契約したんです。」

『クリフ・・・ありがとう。』

嬉しくてちょっと涙が出てきちゃう。


私はもう一度、ありがとうと伝えるとクリフのほっぺにキッスをする。


そこにルイスがちょうど起きてきたみたい・・・


「だぁ～!?てめー誰だ!!さらに手を出すなんて100年早い!!」と怒りながらクリフに詰め寄っていく。


『傷だらけだったルイスを助けてくれた森の友達、精霊王クリフさんです。』

「はぁ～？精霊王がこんなに若い訳ないだろ。」

『少し前に世代交代したんだけど・・・って言うかさぁ文句を言う前にお礼は？』

クリフは私の言葉に賛同してうんうん、と頷く。

「本当ならありがとう・・・」

ルイスはそう言ってクリフの事を睨む。

クリフは私の後ろに隠れると、「もう帰る。」と言って消えてしまった。