木こりの娘はプリンセス?

皆が部屋から出て行ったのを確認すると、私はある人を呼んだ。


『優しき風に誓いし者よ、我が命に従え、現れよ森の精霊クリフ』


すると、魔法陣が浮かび上がりその中から精霊のクリフが現れた。


・・・・・

「サラ?こんな夜遅くに召喚だなんて何が!?」

クリフは自分の視界に入ってきたルイスの状態にビックリする。

『クリフお願い!!力を貸して。傷口に薬を塗ったんだけど、どんどん熱が上がってきてるの。回復魔法をかけたいの。』

「良いけど、本当にいいのかい?」

『いいのよ。私の寿命が少しぐらい短くなったって誰も困らないもの。』

私はクリフと、イヤ精霊たちと契約を結んでいる。
強い魔法を使うには魔力が少なすぎるそんな私は精霊と契約し、精霊の力を借りて魔法を使っているの。

呪文も皆が使う物とは全く異なる。
こんなやり方で魔法が使えるなんて誰も知らないのだ。

そして、その力の代償は私の命。魔法の大きさに比例して奪われる命の量は変わる。

1,2分で済むものもあれば10年~20年と言う大きなものもあるらしい。


この世界の生命力は魔力の大きさによってかなり寿命が変わる。
魔力の大きい物は何百年も生き、魔力の少ない物は数十年ほどで寿命が終わる。

きっと私は100歳までなんて絶対に生きられない。多少その時間が短くなったところで誰も困らないだろう。


『それじゃお願い。』私はクリフにそう言うとクリフと手をつなぐ。


『優しき風に誓いしものよ、この者の痛みを散り払い元の姿へ戻せ。』

ルイスの周りにはとても心地いい風が吹く。

すると苦しそうな表情をしていたルイスの顔は穏やかになり、体中にあった傷が治っていく。

『クリフありがとう。もう戻ってい・いい・・・よ・・・・・』

私は全部話しきったのかどうなのかわからないまま、意識を失ってしまった。