木こりの娘はプリンセス?

午後の授業は魔法の使用をするので格技場に移動する。

魔法の授業の時は、どんなに簡単な魔法でも何かあった時の為にシルードを張りやすくなっている格技場を使用することになっている。

先生がシールドを張ったのを確認すると生徒たちは順々に魔法を使う。

今日の授業内容は、2回連続で魔法を使う基本の連続魔法と言う物。

決まっている魔法ではなく、自分たちが得意な魔法を2回、間を開けずに呪文を唱える。

私も1度目は普通に行けるんだけど2度目がねぇ・・・魔力の回復が遅すぎて続けて呪文を言っても魔法が発動されない。

そんな私の姿にクラスの皆は見慣れていて、クスクス笑ったり、嫌味を言ってきたりする子も増えてきた。

そんな中先生は、立て続けに魔法を発動すればいいだけなんだ。大きな力を使わなくてもいいんだよ。

感覚さえ覚えておけば、そのうちお大きな魔法でも応用が出来る様になる。と言って励ましてくれる。


『簡単な魔法・・・?っあ!?』


増幅魔法の後に、移動呪文を唱える。

すると、少しの距離だけど移動ができた。私は先生の顔を見る。

「おぉ!!そうだよ、そんな感じで鍛錬すれば他の魔法もスムーズに出来る様になるんじゃないか?お前は知識だけは先生よりも豊富なんだ、組み合わせを変えて行けば色んな事に使えるんじゃないか?」

そう言って先生は私のワシャワシャ頭をなでる、おかげで私の髪の毛はボサボサだ。


「せんせ~い、一人の生徒にだけそんなに褒めたりして、それってえこひいきじゃありませんかぁ?」

「そうですよ!!そんな初歩的な魔法が出来たぐらいで大げさです。」

そんな声がちらほらしてくる。


基本的に私はこのクラスの人から好かれていないんだ。

理由はわかってる。

ルイスの妹だと言う事がみんなに知られた時、殆どの女子が紹介してくれと頼んできたのだ。
1人を紹介すると他の子もしなくちゃいけないでしょ、そうするとルイスの負担になるから出来ない。そう皆に言ったのだ。


そしたら、これだ・・・

ルイス様の妹だからって図に乗ってんじゃない?なんて言われるようになったのだ。



実にめんどくさい事態になっております・・・