しかし、当の本人はなんにもなかったかのように歩いていた。
そういえば彼の名前こそまだ聞いていなかった…!!



「あのー…」




「なに。」





彼の声の低さに戸惑ったが、聞いてみることにした。




「あなたの名前は…?」






「府中涼介。」






さっきから彼は単語でしか喋っていない。
クールな人なんだー。感心していると目の前には2ヶ月ほど前に入試を受けた学校があった。





彼は違う校舎に入ろうとしていて、
お礼をいい忘れたことに気づき急いでお礼を言った。





「ありがとうございました!!」





私は彼にお礼を言った





「別に、おんなじとこに行くんだから一緒に来ただけ…」



彼はまた感情の読めない声で言った