「明日お互いがんばろうね」




「うんっ

 …って紗弥加は別にがんばる必要ないじゃんっ」




「そんなことないよ―

 だって付き合って初めてのバレンタインだし」





悩んで悩んで決めたので



綺麗にラッピングしたチョコレートを



大事に手に持ち、紗弥加の家を後にした





冷たい風が頬に当たる





もし余裕があったら



気持ちも伝えてみようかな、




そう思った