孤独な夫婦

久しぶりの外食とあって、私はメイクを直し、彼の帰りを待っていた。この間買った新しいワンピースを出してきて、鏡の前に立ってウキウキしていた。旦那との夕飯にこんなに気分が高まるなんて、私もまだまだ乙女心満載だなっと、バカみたいにはしゃいで。


[ごめん、やっぱり残業になった。外食はまた今度にしよう。夕飯はコンビニで済ませるので、俺のぶんは大丈夫です。本当ごめん。]



そのメールが届いたのは19時。



仕事なのだから仕方が無い。一生懸命働いてくれてるのだから。


私はメイクを落とし、シャワーを浴びた。


泣いたって仕方が無い。仕事なのだから。


まるで、デートをドタキャンされたような気分だが、仕方が無い。仕事なのだから。


まるで、自分に言い聞かせるように心の中で繰り返た。毎日一緒にいるんだから、外食が無くなったくらいでへこむなんてバカみたいだ。


でも、今の私にはとても笑って過ごせるほどの心の余裕はなかった。