孤独な夫婦

「そうだったんだぁ。二年かぁ、長いね。マナから誘ったりはしないの？」


「結婚して半年くらいは普通にしてたんだけど、だんだんとしなくなって、誘っても疲れてるって言われて断られて。それを繰り返してるうちに、もう誘わなくなったんだ。惨めだし悲しいしで、諦めちゃった。ひどいのよ、私に背中を向けたまま、疲れてるの一言で終わらせるの。隣で寝てるはずなのに、その背中がすごく遠く感じた。」


私は今まで溜めていた気持ちを雅美にぶつけた。話しているうちに涙がこみ上げてきたが、なんとかこらえた。


「そっかぁ。女から誘って断られるって辛いよね。私も妊娠してから、旦那が怖がってしなくなったんだけど、それともまた違うもんね、和樹くんの場合は。それにしても、なんでだろう。逆に男が二年も我慢できないんじゃ・・・。」


雅美は言葉を言い終わらないうちに、私の目を見てきた。何かマズイことを言ってしまったという目で。


「やっぱり・・・、浮気・・かな。」


私のこの言葉でまた沈黙になってしまった。妊娠して幸せの雅美にこんな暗い話しをするのは気が引けたが、話し出してしまったからには、もう止められなかった。