孤独な夫婦

「だーかーらー。エッチはどれ位の頻度でやってるの?」

私は少し悩んだ。此の手話題は避けてきたのだ。赤裸々に話せばどう思われるんだろう、みんなはもっと頻繁だから惨めな思いをしてしまうんだろうなと。でも、最近は誰かに話しを聞いてもらいたい、どうしたらいいのか分からないという思いのほうが強い。

雅美に相談する事を決意した。


「・・・•。二年。」

「えっ?なに?」

「二年、してないの。」

「・・・•、え!?」


少しの間、沈黙が続いた。そりゃそうだろう。一緒に住んでて二年もしていないなんて、私の周りにはいない。

「マジで?」

「マジで。」

自分で言葉にして、少し悲しくなってしまった。

「なんで?和樹くん、インポなの?」

よほど驚いたのか、大きな声で言うので私は思わず雅美の口を手でふさいだ。

「ちょっ、声大きいよ!
分からない、でも違うと思う。1人でしてる形跡はたまにあるから。」


ゴミ箱を見れば分かるし、何より、あの匂いはティッシュでくるんでいても分かるものだ。


私はゴミ出しをするたびに、嫌な思いを抱いている。


私とよりも、AVを見ながら1人のほうがいいのね、と。