フードコートはもう満席になってしまっていたので、私たちはすぐに座れそうな混んでないお店を選んだ。お腹の大きい雅美を早く座らせてあげたかったのだ。私たちは和食屋さんに入り、私はカツ丼、雅美はざるそばを頼みそんなに待つこともなく出してもらえた。


学生の頃は飽きもせず恋バナなどに花を咲かせたが、この年になってくると話しのネタは姑や旦那の愚痴。風邪が学生の頃より治りが遅いとか傷跡が消えないとか、なんとも悲しい話しばかりだ。


「はぁー。どっかにトキメキ落ちてないかなぁ。」

ざるそばをすすりながら、雅美が諦めたような声でボソッと話す。

「何それ。あんたもうすぐ母親なるんでしょ。」

「そうだけどさぁ。毎日旦那の朝は早いから寝るのも早いしさ。妊娠してから一度もヤってないしさ。コミュニケーションが少ないと思うのよね。私としては、もうちょっとかまって欲しいわけよ。」

私は雅美の言葉にドキッとした。なにより、少し嬉しかったのだ。仲間がいた、と。

「ねぇ、マナのところは、どれ位の頻度?」

「・・・•。え?」

唐突な質問に私は戸惑ってしまった。