引き籠もりオタクと王子様

お母さんが琉くんのお弁当に目をやり、


「それ、晩御飯かい?」

「そうです」


そんな会話を始めた。


「そういえば昼もパン1つと友達に貰った卵しか食べてないよね…」


偶々だからね!ストーカーとかじゃないよ。
みたいな後付けした言葉は誰の耳にも届いて居ないんだけど。


「両親が多忙だから、最近はね…」

私をみて言う。…顔ちっさ!


するとお母さんが


「ねぇ、今日餃子なんだけど、良かったら食べにいらっしゃい?」


お母さんがそう誘うと


「いいんですか?」


少しだけ目を光らせた。


そのまま琉くんは車に一緒に乗り、私の自宅へ。


「友梨は着替えなさい」


琉くんが買い物袋をもってリビングへ。
…王子様になに持たせてんのよ


私が持ってる中で多分、恐らく一番可愛らしいと思える部屋着に着替えたが…


「…ださい。…まあいいや」


溜め息をつきながらも餃子の餡を包むの手伝った。


「、、俺もやりますよ」

「助かるわぁ」


琉くんが積極的なのも心外だし…


お母さんあのね、琉くんは別世界のお方なのよ。2.5次元の人なのよ…


鼓動が速くなるのをすぐ理解できた。
ぶっちゃけ速すぎて疲れた、


私の焦ってる心の中とは別に琉くんは黙々とやり続ける。


静かなリビングに餃子を包んでる人が3人。シュールすぎる
とか思ったその時お母さんがガタッと席を立った。