私は泣いていた。

目の前に映る
鮮血を散りばめた少女が突き刺さる

大きな硝子を。
それなのに街を行く人々は

そこには何もないかのように。
歩いていってしまう。

さっき、泣く。という事を覚えた。
泣くと言うのは悲しかったり、嬉しかったり、心に抑えきれない気持ちを外に出すことだと思った。
そう、今は思うだけ。

私は泣いていた。
目の前に映る鮮血にただひたすら目をそむけながら。