ここはどこなのだろうか。
ただ一人、闇の中をさまよい続けた先には何もなかった。
自分が誰なのか。
どこで生まれ、どのように育ち、
どうして死んだのか。

…そもそも自分が死んでいるのか、生きているのかさえの認識も危うい始末である。
自分がなぜ「どうして死んだのか」
と思うのには、勿論理由がある。

周りに認識されない。

ただこれだけの理由である。
今日は初めて、食事をするという事を知った。
思い出したのではない。
初めて知識を得たのだ。
もはや自分は記憶を無くしてしまったのか、そもそも記憶なんてなかったのか。
それさえもわからない。
こうして私はまた一人、泣いていた。