バタン!!!
斜めになっていた本棚のひとつが、急に倒れたのだ。
そのせいで、下敷きになった食器が割れる音も響く。
一瞬、影が来たかと思って焦ってしまった。
「あー、ビックリした……」
私がため息を吐くと、クレイグが慌ただしく立ち上がり私の手を引っ張った。
「立て!ここから逃げる」
なぜこんなに慌てるのか理解できなかったが、私は彼にそのまま引っ張られていった。
奴らが来た訳じゃないのに…どうしてだろう?
「いきなり何よ!?何が起きたっていうの??」
私達は裏口から出て、そのまま走った。
「…後ろを見てみろ」
走りながらそう言われ、振り返ってみる。
すると、私の家はすでに影に囲まれていた。
「…な、なんなの!?」
私は家が見えなくなるまで、その光景を眺めていた。