彼は、突っ立ったまま私を見下ろしている。
いつもなら、そんな事する奴は許さない。
だけど今はそれどころじゃないんだ…。
「やっぱりお前は、兵士には向いてない」
彼は唐突にそう言った。
その言葉はひどく私の胸に突き刺さった。
…でも、それは事実。
本当は、自分でもそうじゃないかと思っていた。
「そんなの、言われなくても分かってるわよ。……だけど、誰よりも強くなって、ママとパパを幸せにしてあげたかったの…」
2人の姿を思い出すと、また涙が止まらなくなった。
「やっとここまで来れたのに……」
悔しい。
毎日まいにち、たくさん努力したのに……大切な人は守れなかった。
こんなの、意味ないじゃない。
「お願い、今はほっといてよ…」
そう私が言おうとした時だった。

