【SIDE #Liz・Hakluyt】
私は走った。
マルコムや隊長は行くなと言ったけど、やっぱりママとパパを失いたくないから。
それに、今引き返しても、きっとお説教だろうしね。
家に着いたのは、あっという間だった。
無線の通り、影はそこまで来ている。
近くを走るたびに襲われそうになったけど、私の戦闘能力を舐められちゃ困るわ。
「ママ!パパ!」
家のドアは鍵が開いていて、私は中に入ることが出来た。
「私よ!リズよ!!」
すると、二階から足音がした。
「…リズ?本当にあなたは……。ああ良かった。生きてたのね…」
降りてきたのはママだった。
後ろからパパも顔を出した。
「ママ…パパ…。無事で良かった…」
私は勢いよく、ママの胸に飛び込んだ。
「こんなに大きくなって……」
ママの温もりが心地よかった。
安心して全身の力が抜ける。

