「…いや!私は行く!!」



「待つんだ!!行ってはいけない!!」




広場に来ると、男女が言い合っている声が聞こえた。



それは、リズとマルコムだった。





「何をしている?」



私が近づくと、リズは俯いた。



「彼女が、両親の所に行くと言って聞かないのです!!」



「…それは本当か?」




さっきの事もあって、彼女は気まずそうに言った。




「ごめんなさい、隊長。…でも、私、行かなきゃ。北区、港から8km。そこに私の家があるんです」



彼女は私に訴えた。



「お願いです!!行かせてください!…なぜ、私は家族を助けられないのですか!?」



彼女の言葉はとても切なくて、儚いものだった。