「ベシー様!!」
私はルーサーの声で我に返り、自分の息が上がっている事に気付く。
「ハアハア…ふーっ。…すまない」
「どうされたのですか?突然…」
とても心配しているようだ。
「まあいいじゃないか。さっきのベシー様、とても勇ましくてカッコ良かっただろう?さすが我らの女王様だ!!」
マルコムがにこやかに言った。
「あれが…影、なの?」
しかし、リズは震えた声で呟いた。
「大丈夫か、リズ?立てるか?」
私がリズのそばに寄ると、彼女は涙目で私を見た。
「何でみんな平気なの!?どうして?…なんで私だけ…。震えが、止まらないっ…」
リズは地面とくっ付いたかのように、立ち上がる事はできなかった。

