「あいつが……影だ」



ルーサーが言った。




ああ。これが…







あの日、私の大切な人を奪った、怪物。




今まで一度も忘れた事はない。











「やっと…会えた…」




「ベシー様?」




私は無意識に剣を握りしめ、奴に振りかざしていた。








「死ねェェェェェ!!!」















私は見事に奴を切り裂いた。




奴は唸り声を上げた。









近付くと、その容子がはっきりと見える。





影の体は人間ととてもよく似ていたが、手足が長く、全身を黒い粘膜のようなものに覆われていた。


顔と思われる所には、目も鼻も無く、あるのは大きく裂けた口と、耳の穴だった。