リズが叫んだ瞬間、大きな黒い物体が、建物の隙間から飛び出してきた。







「危ないっ!!!!」



「…えっ?」






リズを背後から襲おうとした物体に、マルコムが蹴りを入れる。



物体は飛ばされ、建物の壁に当たった。




グジュッという奇妙な音とともに…。





「リズ!大丈夫かい!?」



急過ぎる出来事に、腰を抜かしたリズをマルコムが支えた。




「いっ…今の、何?」



リズは放心状態だ。




彼女はきっと影を見たことがなかったんだろう。