どれほど馬を走らせただろうか…。




真っ赤だった空は、厚い雲で覆われていた。



まだお昼だというのに、街中は夜のように薄暗かった。




「皆!もうすぐだ!!」



私達はまず、港町を目指した。




林を抜け、崖が見えてきたその時、私達は目を疑った。








思わず馬を止め、港町を見下ろす。




「これは…」



ルーサーが小さな声で言う。



港町には、もうすでに奴らが押し寄せて来ていたのだ。



まだ海沿いの地域だけに、その影は見えていて、家が5軒ほど燃えている。






「遅れた…。早く下へ降りよう!!」




私達は慌てて街へ走った。