街中は、思った通りパニックに陥っていた。
「案の定ね。みんな慌てて走り回ってる…」
リズが言った。
「無駄口叩いてたら、馬から転げおちるわよ」
そこにケイティさん。
「は?うっざ」
相変わらず、2人の仲は悪いままだ。
呆れる…。
商店街まで来ると、人々がわんさか集まっていた。
馬の足音が響くと、皆家の中から顔を出す。
「あれは!選抜兵のベシー様だわ!!」
ある奥様がそう言った。
やはり、この国の情報網はあなどれない…。
口々に私達の名前を叫ぶ街人。
それでも私達は、馬の走るスピードを緩めなかった。

