「何だこれ。意味わかんねえ……帰ろ」
ディランは呆れて先に帰ってしまった。
私とルーサーとクレイグは、この可笑しな状況の中突っ立っているだけ。
そう言えば、ドロワットとゴーシュ…だったかな?
他にもあと2人、選抜兵がいた。
彼らはよく似ている。
「君達は双子か?」
私は彼等に近付き、話しかけた。
「はい。僕が兄のドロワットで、こっちが弟のゴーシュです」
そりゃそうか。
こんなに似ていれば、誰でも彼等が双子だと気付く。
しかし、兄のドロワットには不思議な点があった。
「あの…大変聞きづらい事だが、なぜ目を布で覆っているのだ?」
そう。
彼の目は真っ黒の包帯のようなもので覆われていた。
「ああ……それは、僕は目が見えないからです」
目が…見えない?
「…はい。弟のゴーシュは、耳が聞こえません」
耳が…聞こえない??
私の中で、彼等の悲しい兄弟というイメージが出来上がる。
「なら、君達は二人で一人…って訳だね」
ルーサーも興味を示し、会話に入ってきた。
「そうですね。今までも、僕等はいつも一緒でした」
その言葉が、少しだけ悲しいようにも聞こえた。

