「なあーんだっ。普通の変なおじさんじゃん。もっと怖い人かと思ってた」
そう言ったのは、リズ。
「あら、そういうのは言わなくていいのよ?」
ケイティさんがすかさず突っ込む。
「はあ?ウザいんだけど。あんたもババアじゃん」
これにはケイティさんもキレた。
「お二人とも、やめましょ……」
「まあまあ、言い争いはやめようじゃないか…どちらも素敵な、僕のプリンセスなのだから!」
私が止めに入ろうとすると、さらに厄介なのが来てしまった。
「…うっわ、寒っ。あんた誰?マッシュルームみたいな髪して……変なの」
リズの毒舌は凄いと感じた。
こんなにも、人は人を批判出来るものなんだな…。
「なぬっ!?このヘアーが変だと?……ノンノンノン、分かってないなあ〜。それに、僕の名はマルコム・チャールトンさ!!」
キメ顔をかます、マルコム。
女子群はやっぱり引いている。
「マルコム、引かれてる。やめて」
そう言ったのはマルコムのすぐ後ろにいた、ハンナ・アクランド。
彼女も選抜兵だった。
「いや…無理だ。僕はもう止まれないっ…!僕の輝きは誰にも止められないんだ!!」
この場の空気が凍る。
「マルコム。お座り」
彼女は手のひらを地面に向けた。
「ワンッ!」
「「ワン??」」
リズとケイティさんが一気に噴き出した。
「あはははは!!何それ!? マジ意味分かんないっ…!イヒッ…あはははは!」
ケイティさんは笑い過ぎて地面に倒れ込んだ。

