「ゔぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ"!!!」




ディランの絶叫が棟内に反響した。




「あははっ。先生は凄い腕力の持ち主なんですね〜!」


ルーサーが場違いに笑いながら言った。





「ディ、ディラン??…大丈夫か?」


慌てて彼に駆け寄ると、ディランは涙目で私に訴えた。



あまりの痛さに声が出ないらしい。


口をパクパクさせている。




「大丈夫じゃなさそうだな…」


これには私も苦笑いせざるを得なかった。













ディランが心配ではあったが、今日は会議があるため 後はマッダレーナ先生に任せた。





私達三人は城の地下のトンネルを通り、南にある本部へ歩く。




本部の会議室の扉をゆっくり引くと、すでに他のお偉い様が集まっていた。



一斉に私に視線が集まる。



気まずい空気の中、端の席に腰を下ろした。





「よし。全員そろったな」



いつも、ブラム兵長のその言葉で会議が始まる。


今日は兵士の会議で、それぞれの隊長と教官、指揮官 官長などが楕円のテーブルを囲んで座っている。



ルーサーとクレイグは、外で待機しているはずだ。




「今回の会議では、奴らに備えての話し合いを行う」



奴ら…その一言で、さらに皆の目が真剣になる。



「もし、また奴らが来た時には、特攻隊を中心に攻撃をと考えている。…それは皆、了承済みだな?」



ブロム兵長は確認しながら話を続ける。



「そこでだ。私から提案がある。…この特攻隊に、さらなる選抜兵をつくりたいのだ」




…選抜兵?


ああ……。特攻隊の中でも優秀な人材を、一つにまとめるという事だな。




なかなか面白い。




「フロリオ。君はどう思う?」



「私は賛成です。その方が、攻撃にもプラスになるかと思います」



「そうか…他の者はどうかね?」




皆が拍手をした。



これは賛成の合図だ。




「では、決定しよう。メンバーはこちらで決める。それは、また後日発表という事で」



他の対策についても話し合いが行われ、今日の会議は終了した。






「お疲れ様、フロリオ君」


会議室を出ようと椅子から立ち上がると同時に、ブラム兵長に話しかけられた。



「どうだったか?今回の議案は。最高ではなかったか?」



さすがは自信家のブラム兵長。


ドヤ顏がきまっている。



「素晴らしいですね。今後の、特攻隊の成長に期待出来ます」



「あはっはっ! そうかそうか!それは良かった!!」



正直、この状況が面倒だと思っている自分がいる。



あー…早く帰りたい。