4月

それは始まりの季節



私は第一志望の高校に落ち、ごく平凡の第二志望の高校に入学した

特別優秀なわけでも、不良少女というわけでも、超能力が使えるというわけでもないごく平凡、普通の女の子

ただ...

ドンッ!!


「あ、すみません!!」


運動神経は皆無というほど運動ができない

そんな私の名前は白崎 千夏


「(あ、電車行っちゃった..)」


中学のときもこんな感じで遅刻常習犯

ついていないと一息ついてスカートを払う


「(次の電車は..)」


時刻表を探しながら歩いていると..


ドンッ!!


「いたっ!」「いてっ!」


本日二度目の人身事故


「す、すみません!」


今日は本当についていない日だと、自分の不注意を運のせいにする


「(あ、この人も同じ高校だ)」


ぶつかった相手は同じ高校の制服を着た男子生徒だった

その人は制服を手で払い、まだ座りこんでいる私をジッと見た

その目は私には一切興味はないようで、とても冷たく感じた


「あの、すみません..」

「大丈夫。」


それだけ言うと、その人は立ち去って行った


「(ちょっと怖い感じの人だったなぁ..)」


立ち上がりしばらく彼の後ろ姿を眺め、私はまた時刻表を探した