なんて思ったけれど、やっぱりそうではなかったようだ。
だって、ふたり並んで歩いている間、暁くんは驚くくらいなにも言わない。
いつもは話題を探すまでもなく始まる会話が、歩き始めてしばらくしても始まる気配がない。
どうしたんだろう、と隣にこっそり視線を向けると、暁くんは何か考え込むような表情をしていた。
「……花南さん」
「えっ?」
ずっと黙っていた暁くんからふいに視線を向けられ名前を呼ばれて、驚きを隠せないまま声が出た。
目をそらすこともできずにまっすぐ見つめ返すことになってしまい、ぶつかる視線に小さく息をのむ。
なんで寄りによってわたしが盗み見てるときに話しかけてくるかな……!
と心のなかで思わず呟くけど、わたしの心の声なんて届くはずもなくて、暁くんの視線は揺らがない。
思いがけず強くぶつかってしまった視線を、耐えられずに先に逸らしてしまったのはわたしのほうだった。
「えっと、なに?」
「……あー、うん、あのさ」
逸らしたというよりは伏せた視線。
それでも暁くんの僅かな逡巡の気配が感じられた。
躊躇うようにそれ以上は声にしてくれない。
暁くんが言葉を濁すなんて、なんだかめずらしい。
だって、ふたり並んで歩いている間、暁くんは驚くくらいなにも言わない。
いつもは話題を探すまでもなく始まる会話が、歩き始めてしばらくしても始まる気配がない。
どうしたんだろう、と隣にこっそり視線を向けると、暁くんは何か考え込むような表情をしていた。
「……花南さん」
「えっ?」
ずっと黙っていた暁くんからふいに視線を向けられ名前を呼ばれて、驚きを隠せないまま声が出た。
目をそらすこともできずにまっすぐ見つめ返すことになってしまい、ぶつかる視線に小さく息をのむ。
なんで寄りによってわたしが盗み見てるときに話しかけてくるかな……!
と心のなかで思わず呟くけど、わたしの心の声なんて届くはずもなくて、暁くんの視線は揺らがない。
思いがけず強くぶつかってしまった視線を、耐えられずに先に逸らしてしまったのはわたしのほうだった。
「えっと、なに?」
「……あー、うん、あのさ」
逸らしたというよりは伏せた視線。
それでも暁くんの僅かな逡巡の気配が感じられた。
躊躇うようにそれ以上は声にしてくれない。
暁くんが言葉を濁すなんて、なんだかめずらしい。


