みんなの近況を聞いているうちにあっという間に時間は過ぎていて、研修の休憩時間の終わりを知らせる声が聞こえる。
わたしはこのまま自分の仕事に戻るけれど、桐原くんはまだ研修の続きがあるのだ。
「じゃあ、またね。研修がんばって」
「おー。今度仕事終わりにでも飲みに行こうぜ」
「うん、そのとき話の続き聞かせて」
わたしの言葉に頷いた桐原くんは、「今度連絡するわ」と言い残して、自分の席に戻っていった。
その姿をなんとなく見送ってから会場を出る。
まさか桐原くんが後輩になっているなんて。
そんな偶然もあるんだなぁ、としみじみ考えながら歩いていたわたし。
「!」
ふいに視界に現れた人物に、心臓がドキンと音をたてた。
思わず足を止めたわたしに気づいたようで、そのひと──暁くんもこちらを見てきたから、視線がまっすぐにぶつかる。
「おつかれ」
壁によりかかるようにしてスマホを確認していた暁くんが、そう言いながら壁から背中を離すと、わたしのほうに身体を向けた。
「おつかれさま」
わたしもそう返して、暁くんのほうに歩みを進める。


