「……」
時計が正午すぎをさしていることに気が付いて、ちょうど仕事もきりがいいところだったので、わたしはパソコンの電源を落とした。
ひとつ息を吐いて、上司に研修のために席をはずすことを伝え、オフィスを後にする。
研修の会場はここから歩いて少ししたところにあるから、お昼を外で食べて、そのまま向かうつもりだ。
本当は、暁くんも一緒にどう、って誘うつもりだったんだけどな……。
席を立つ前に一応誘おうとしてみたけれど、どうにも勇気が出なかった。
……こんなんじゃ、どんどん話しづらくなっちゃうよ。
わたしはもう一度、大きなため息を吐き出した。
「あれ、花南?」
ひとり寂しく昼食を済ませた後、研修が行われているビルに入り研修室までの廊下を歩いていると、ふと名前を呼ばれた。
反射的に振り返り、そして思わず、え、と声が零れる。


