雲ゐかさ

「っしゃあ! 行くぜー!」

ハーフタイムが終わるや否や、真っ先にコートへ走る良太。

やれやれ。

「おいお前ら。お前ら四人であいつよりボール取れ。どーせダンクやっちまうだろ」

「「うっす」」


そうだ。
背が高いからって調子乗れるくらい、楽じゃねえ。



第3Q開始。


はじめは順調だった。
だけど。


「ぐっ」

良太がボールを持つだけで、ディフェンスが二人付くようになった。


しかもその二人もデカイ。

「よこせ良太!」

「くそっ」

ボールを貰い、そのままスリー!


ガンッ


「ぬあっ、外したぁっ」


「戻れ! ディフェンスだ!」

同じ一年生、小暮竜介の声に我に返る。


くっそー、俺って体力ねえなぁ。