雲ゐかさ

「おおっ、りゃあぁあっ!!」


俺の身長は186cm
夏の間にまた伸びた。

体力は使うけど、ダンクだっていける。
今はそれを成功させたところだ。


「どーしたあいつ。ヤケに張り切ってんなぁ」

監督席に座っている吉田が驚いた声を上げた。
今の一年生は良太と俊が飛び抜けている。良太には怪我があると赤城から聞いていたが、特に目立ったことは無い。

ああ、でも、入院したか。
生きろって書いたわ。俺。

「ったく、理由も言わねえしよぉ」

ま、大事ないならいいんだけどよ。
睨まなくたっていいじゃんかなぁ。

「監督。あいつ、文化祭行きたかったらしいっすよ」

隣に座っている我がバスケ部の主将、三年生の和田康介。

「文化祭ぃい? なんだ、やっぱあいつら付き合ってんのか」

初日から赤城にベタベタしてたもんなー、あいつ。

「良太って奥手なんすかねー。フラグ立ちまくりって、俊から聞いてますけど」

「お前はどうなんだ。この前振られたんだろ」

「どーして部員の抉られたくない所の記憶はしっかりしてるんすか」

「泣くなよ」

ま、一、二年生を鍛え上げるためにこの試合にゃ毎年参加してるが...。
大体ここで三年生の力が必要になるんだが...。

「今年はいいか。お前らは応援張り切ってやれ」

「うす!」



「でぇええりゃああっ!!」

お。またダンクか。

つくづく思うんだが、あいつの頭が赤いのは、あの有名なマンガの影響か?