雲ゐかさ

あの後はクラス全員でも撮影。

やっと点呼が終わった頃には開催式間近。


慌てて体育館へ移動。


オプセレやらを終えて、既にクタクタ。


これから人を脅かすとか...
確か、今日はずっとシフト入ってるから...。


「今日は午後三時間だけだし、頑張ろ」

背中を叩かれて振り向くと、浴衣の上に黄色いはっぴを着たあかりがいた。

生徒会と文化祭実行委員は、目印にこの黄色いはっぴを着るらしい。

見回りも兼ねてるんだとか。
これは今年出来たって聞いた。

一年生からの意見らしいけど、誰だろ?
去年までは先生だけだったらしいけど。

「四人で周りたかったねー」

「無理でしょ。仮に二人が居たとしても、俊は彼女だろうしさ」

「えっ。この前別れたって泣いてなかったっけ? そんで男子から黙れイケメン! とか言われてなかった?」

「多分いるんじゃないかなー。あれだけ取り巻きいれば」

俊は本当にモテる。
女嫌いって言ってたけど、根からのワルじゃないから、中々突き放せないでいるんだと思う。

イタズラはよくやるけど。


「へぇ! すごいね!」

素直に感動してるあかり。

「あかりは彼氏いないの?」

「いないよ? どうして?」

「居てもおかしくないから、何と無く」

「うーん、興味ない! 結構お腹いっぱいなんだ〜」

「え?」

「なんでもない。私は本部で仕事あるから、もう行くね。明日は回ろう!」

「うん。いってらー」

さてと。
私も頑張ろ。