「ぐっ...見えないし...っ」


身長は高い方。
だけどそれは女子の間でって意味で。
前にいる大勢の男子には敵わない。

「あか...ぎ...ってどこ...」


おかげで、クラス発表の掲示板が全く見えない。
背伸びしてみるけど、全然ダメ。
カラフルな頭しか映らないし...。

仕方ないか、少し待ってから...。




「あかぎ? ...あー、一組になってるよ」


真後ろから知りたかった返答が聞こえた。



「合ってる? あかぎさんで」


「は、はい。どうも...」


答えた相手は、180は超えてる身長に、真っ赤な髪の毛。右目は眼帯をしている男子でした。


ここの学校は校風が自由なのが売りな学校だけど、赤色の髪の毛!?
目立ちすぎ!

私は茶髪だし、周りもほとんどそうだし。


「俺と同じだな! よろしく」

二カッと笑うその表情は、見た目とは違って人懐っこい感じ。
一気に緊張が解けた気がした。


さっき、平凡に卒業するんだって思ったばっかだったから、面倒ごとは嫌だし。
そうはならなそう?


「おーい! 良太! 行くぜー!」

「あっ。おー! じゃあなっ」

遠くで別の男子が手を振って呼んでる。
なんか...ヤケに女子がまとわりついてるけど。


「今日は背後から声かかりすぎ」


一人呟いて、ウンウンと頷く。