「なんのことだ。間違いがあったとはなんだ」

「犯人は生徒じゃありません。高原さんでもない。吉野山先生でしょ?」

「君は、先生に向かってなんてことを言うんだ!」

「すみません先生、私、先生が嫌いなんです〜。尊敬なんてしていません。だってそうでしょう? 生徒に濡れ衣着せる先生なんて」

私は田中先輩に貰ったあの紙を取り出した。

「ここにいる人達、みんな去年あなたが担任をした生徒さんですね。二年間同じクラスですから、二年間そのクラスの担任をされていたことになります。で、他にも共通点があって〜」

放心状態の先生に紙を渡す。
うーん、ボーッとするには早いよ。

「この学校は、不良や問題児だった生徒を一クラスにまとめますね。まさに私たち1組がそうです。でしょ? 先生」

「ど、どこで知ったんだ」

「雰囲気で分かりますよ〜。他は普通だけど、私たちはすっごく仲がいいですから♪」

おっと、少し脱線しちゃったかな?

「あなたは、その生徒達に何らかの被害を受けた。その証拠品的なのを取り返すために財布の中を見たんですよね? 例えば〜」

これ!
着ぐるみを着た先生の写真とか。

「これは文化祭の時のですね。あなたはこーゆーの嫌いなんですか? これを奪還するためとはいえ、動機が幼すぎで泣けてきます〜」

あらら、泣きそう。
私、本音出ちゃうからなぁ。
嘘は付けないんだ、ごめんね。

「もう一クラス。今度はめちゃくちゃ優秀な生徒だけのところ。私たちは6組ですかね。高原さんも6組ですね。雰囲気が違うだけで犯人っぽく出来ると? 腹いせですか?」

「す、すまんっ!」

「あなたはそっちの方が良くて、ずっと比較してたそうですね。そりゃあいい思いはしませんよね〜。他にも変な写真ありますよ〜。田中先輩の知り合いから借りてきました〜」