雲ゐかさ

「神田は来ねえの?」

「やり残しの仕事があるんだって」

「大変なのな〜」

私と良太は、両者ストーカー撃退のため、帰宅するところ。

撃退って言っても、よくて話し合いかな。良太の場合はね。

私はよくわかんないから。


「あ、後ろ乗るか??」

「乗らないって。歩かないと意味ないでしょ...」

何気無く後ろを振り返ったら、四階の教室に、誰かがいるのが見えた。

あそこは確か、生徒会室。

やっぱり高原奈津!?

てか怖いから!!
なぜ顔半分!!

「なに? どした?」

良太が私の視線の先を見た瞬間、高原らしき影がサッと隠れた。

「よし、帰りましょう! 早歩き!」

「え? お、おお!」