「どーよ、紫色! って言っても淡い感じで春らしいでしょ?」

「はいはい」

母さんの着物自慢は長い。
髪の毛は明るい色に染めてるけど...。

「着物には黒髪のほうがいいんじゃないの?」

「それとこれとは別ー」

らしいです。

「なーんかなぁ。やっぱりクセは消えないわぁ」

母さんは、ふふっと小さく笑った。

「あんたもあるでしょ? そーゆーの」

「んー...そうだね。あるかな」

ガラ悪いし、目つきも鋭いし。
不良っぽいあの...多希だっけ? よりも不良だし。

「友達とかどーお?」

「んー、三人と話した」

「やーっぱねー」

「へ?」

「なんでもなーい」


え、気になるんですけども。