私が『大雅』と名乗る人に、連れていかれたのは、人気の少ない広場だった。


「あ、あのっ」


声をかけると、その人は立ち止まった。


「大丈夫?ケガとかしてない?」


「あ、はい。」


改めて見ても、すごくかっこいい。


「そっか、良かった。」


「あ、ありがとうございました!」


そして、私達は別れた。


『大雅』…『大雅』…


そのあと、私は、彼の名前を心の中で唱えながら過ごした。


もう、二度と会うことはないと思いながら…。