【遥輝side】
あっ、あいつだ。
1番後ろのはじの席。そこに音羽美歌は座っていた。
後ろにいたら気づかないよなー。
おもむろに本をとりだして読み始めた美歌。
なんだよあいつ。真面目かよ。友達いないのかよ。
だけど途中途中友達と話している。
まぁ、最初のうちはこんなものか。
そのわりにはおとなしいな。
同じ中学のやつとかいないのか??
「おーい。遥輝どうした??」
前の席の陵太が遥輝の顔の前で手をふっている。
「ん??あ、あぁなんでもない。」
女子のこと見てたなんて言えないしな。

その日はクラスで自己紹介をした。
どんどん自分の番になる。
遥輝の前に美歌が自己紹介した。
「古谷南中学校出身の音羽美歌です。
好きなものは……」
と自己紹介をはじめた。
えっ!?古谷!?なんでそんな遠いところから!?
古谷とは遥輝達の通っている学校からすごく遠いところにある。
そんな遠いところからこの高校にきた理由はなんだ??

遥輝は少し気になった。