私、彩(sayaka)

桜花学園に通う高校1年生!

この学園は女子校で

私は中学校の頃から通ってる。


ってなわけで

彼氏なんかいませーん!笑


親友の萌香(moka)には


"彩は理想が高すぎる!"


なんて言われるんだけど

よくわかんないの笑



身長180ぐらいで

白いスーツが似合いそうな

そこそこの顔の持ち主


そのへんにいてそうじゃない?って?

毎朝、電車で人間観察してて

当てはまる人がチラホラ…

でも、どれもイマイチなんだよね…






そんなときにあなたと会ったのは

今年の9月……

ちょうど肌寒くなってきた頃。








お布団からなかなか出れなかった私は

何時もより一本遅い電車に乗ることに…。




いつもより早いのは何回か乗ったことあるけど

遅いのは初めてだぁ。

いつも早く出ててよかった!

もぅ一本後だったら遅刻しちゃうよ…。




……ん?

だれかにつけられてる…?

さっきから家の近所じゃ見かけない人が

私の後ろをついてくる。


うちの学校の制服着てると

狙われるって聞いたことが

あるような無いような…。

んー…まぁいっか!

今日は文化祭の模擬店で

何するか決めるんだよね。

えへへ♡

高校からは

学年全クラスから3クラスだけ

飲食店が出来るんだ!


今年はその3クラスの中に

うちのクラスが入れたんだよね!


楽しみぃー☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆


さぁ!

今日も人間観察致しますかぁ!!!!

今日も、電車で座れなかったよぉ…>_<…

朝は眠いからできるだけ座りたい。


なんて思ってる矢先に

後ろのから


"カシャ"

という音が聞こえてきた。


え。
こんなラッシュ時に自撮り?

それとも、スクショかな?


まぁ気にしない気にしない。


んー…

眠くなってきた…

電車の中は外より

ちょっとあったかいから

ほんと眠くなる…。


あー30分は電車に乗らなきゃだから

ちょっと寝ちゃおう…………



( ツンツン )


んー…

さっきからお尻に何かが当たる…。



こんな些細なことで

睡魔に勝てることもなく

うとうとしてると…


『おいっ!』


なんて声が聞こえた気がした…。

いや、聞こえたんだ。

…ザワザワ…ザワザワ


なんか視線を感じる…。


「んぁ…?」

なにがあったんだろーって目を開けたら


スーツのが男の腕を掴んで

何かを話してた。


喧嘩かぁ…

なんて思いながら見てたら

「君!大丈夫?」

ってこっちを向いてきた。

「ふぇ?」

寝てた私は

状況が分からず情けない声を出してしまった。

「ちょっとこっち来て。」

なんで言って

電車から降ろされちゃったよ。


遅刻しちゃうーーーー!!!!




「君、盗撮されてたの気づかなかった?」

はっ?

待って。

とうさつ?

トウサツ?

盗撮!?!?!?

そんな私を気にせず話続ける男性。

「その顔は分かってなかったかな?

カメラで下着撮られてたよ?」

なんていいながら、男の携帯を見せてくる。

うゎ…。

撮られちゃってるよ…。

「とりあえず、駅員さんに言いに行こう。」

「あ、はい…」

撮られたショックがおっきすぎる私は

従うことしかできなかった…。








一部始終を見てたからって

男性が駅員さんに全部話してくれた。

「ほんとすみません…。

気づかないなんて…。

ありがとうございました。

あの…

お礼させていただきたいので

連絡先教えてもらえませんか…?」


「あ、お礼とかされるようなことは

してないよ?」

「で、でも…」

「まぁ…じゃあ……はいっ!」

って渡されたのは名刺。

そこには



松田 礼央(Matsuda Reo)
○○会社
080-○○○○-○○○○



と書いてあった。

○○会社って聞いたことある…。

って、ちょー有名な会社じゃん!

とか考えてたら、

「学校には駅員さんから

連絡入れてもらってるから

はやく学校行っておいで」

って言われて時計を見たら…


8:50!

あと10分で授業始まっちゃう!!!!


「あわゎゎゎゎ…。

それでは後日連絡させていただきます!

今日はありがとうございましたぁぁぁ!」

って言って学校まで猛ダッシュ。


このとき

私は松田さんが

私を見て微笑んでいたとは知るはずがなかった…