学校が終わって、放課後。
特に部活をやっていない私はいつも通り一人で帰ろうとしていた。
「さようなら、内海さん。」
「さようなら、皆様。」
すれ違う人達に愛想よく挨拶をしつつ、自分の靴がある昇降口へと向かっていた。
「あっ、琴ー!!!」
昇降口で靴を履き終え、帰ろうとしていると、友人がこちらへと走ってきた。
「悠里花。いつもは部活にさっさと行ってしまうのに。珍しいわね。帰りにあなたと出会えるなんて。」
「いやー、なんか朝聞いた話がきになってさ。一人で帰っても大丈夫のなの?なんなら、私が部活サボって一緒に帰った方が…」
「大丈夫よ。それに、悠里花だってあれは私の見間違いだって言ったじゃない。それに、悠里花の入ってる弓道部はもうすぐ大会でしょう?なのに、エースであるあなたが練習しなくてどうするのよ。」
「う…でも!!」
「ふふ、悠里花は意外と過保護なのね。大丈夫よ、心配しないで。それじゃ、ごきげんよう。また明日。」
なおも、引き留めようとする悠里花を安心させるように微笑み、私は帰り道を急いだ。