餅きんちゃくに

箸を伸ばした時だった。


「ねぇ、あなた…」


私とお父さんの視線が

ママに向けられる。


「…」


「どうした、幸子」



ママは、皿に取ったたまごを

じっと見ている。


「ミサキの好物ね、

おでんのたまごなの」








ざわっ。




何か、嫌な予感がする。





見ると、

お父さんも若干

顔をこわばらせていた。