「雷斗くん、

『もし俺が死んだら

すぐに他の誰かを好きになれ』

っていつも言ってて

そのたんびにやめてよーなんて

私、言ってたんだけど…

現実になっちゃってさ」



苦笑いが、重い。



「…ごめん」

ナナは、ううん、と首を振った。

「ホントはさ、

誰かに話したかったんだ。

でも、泣かれちゃ嫌でしょ?」


ナナはパスタを

フォークでくるくると巻いた。



「…」


「ありがと。

ちょっとでも話したら

なんかだいぶ変わってきた」


ナナは、優しい。

この優しさに

甘えてはいけない。



「…ごめん」



私の謝罪は

ナナの苦笑いとなって、

その場の空気を静かにした。




私は大人しく

パスタを口に運んだ。