「ありやとうござっしたー」

若い店員に金を払い、

外に出る。

凍てつくような寒さが

温まったばかりの私の体に

突き刺さる。



「はぁ」



ため息は

白い水蒸気となって

すぐに消えた。





さて。

どうするか。






道に落ちていた枝を広い、

アスファルトの地面に立てる。

枝はゆっくり左へ傾き、

やがて倒れた。



左。そこは。


「…家に帰れってか」



私は右へ歩を進めた。