味噌ラーメンを

半分くらい消費してから、

私は、店の客が

私ひとりになったことに

気がついた。


現在、午後七時半。

ふと顔をあげると、

店主と目が合った。


店主はにかっと笑う。



「女性が一人で、なんて

珍しいよ?おじょーちゃん」



私はにこりと笑った。


「大人のくせして

家出してきたんです。

家族が嫌で嫌で…」




店主が困ったような笑顔になる。



私はラーメンをすすった。