大きい鍋からたちあがる

白い湯気。

私はそれを

ぼんやりと見ていた。




私は自分で思ってた以上に

ママのことが煩わしかったらしい。



とぼけたようなママを見て、

自分がどう思っていたかを

改めて認識した。



「はぁ」



隣のサラリーマンが

醤油ねぎラーメンをすすりながら

ちらりとこちらを見た。



【若い女よ、

大した悩みもないのに

ため息なんてつくものでないぞ】



サラリーマンの心境を

勝手に妄想して

苦笑した。