ママ、壊れちゃったんだよ?

お姉ちゃんのせいで。




口をついて出そうになったが

なんとか思いとどまる。




「家族みんなで、

とか思っちゃってるの?

あいつは父親じゃないし

家族じゃない。

ただの他人でしょ。

他人と一緒に暮らすなんて

気持ち悪いじゃん」







モウイイヤ。



「は?」



私は、

自分の顔を

無理矢理笑わせた。



ゴメンネ、ナンカ。

恩着セガマシイヨネ、

ゴメン。




お姉ちゃんの眉が、

ふっと緩んだ。


「ま、わかりゃいいんだよ。

さっきのメロンパンちょうだい」





ぶちんっ。







確かに音がした。