ショコラちゃんを

撫で続けていると、

公園に中学生ぐらいの

女の子がやってきた。

その子は、私の方へ

駆け寄ってきた。


「ショコ!」


ショコラちゃんは、

女の子の声に反応して、

わん、と吠えた。


私の腕から

元気よく飛び出す。


「ダメでしょ、

勝手にどっか行っちゃ」


女の子は

ショコラちゃんを抱き上げながら

私にすまなそうな顔を向けた。



「すみません、

この子、なにかご迷惑を

おかけしませんでしたか?」


やけに丁寧な接し方に

私も頭を下げてしまう。


「いえいえ。

ショコラちゃん、

利口な子ですね」



女の子は、

ありがとう、と笑った。