お姉ちゃんはタッパーを開け、

にやけた。



「ハンバーグじゃぁないか」

「…」


私の手渡したフォークを

かっさらうように取ると、

お姉ちゃんはがつがつと

ハンバーグを体内へ取り入れ始めた。


タッパーとフォークがぶつかる音と

咀嚼音が耳に入る。



食に貪欲なお姉ちゃんを

改めて見てみると、

とんでもなく悲しかった。


服は所々裂け、薄汚れている。

この部屋も、

深呼吸をすると

悪臭がしないでもない。



「どったの。

元気ないじゃん」



口のまわりを

ソースだらけにしたお姉ちゃんが

私を見上げる。



「……いつまで

ホームレスやってんの?」